2026-01-01

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九尾狐異文②(前記)

薄曇りの朝、香の煙がゆるく立ち昇る朝堂院。春霞は兵部卿を利用し、真々藻を討ための派兵を画策する。◇安倍春霞――兵部卿殿、よくぞ参られた。昨夜、主上の御容体が再び崩れられた。我が祈祷により一命は保たれたものの、この都を覆う穢れ、未だ鎮まらず。...
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九尾狐異文②

月冴ゆる山の麓。黒き木々が立ち並ぶ間に人知れず残された廃墟。そこに場に合わぬ雅な衣を纏う女――真々藻が座す。その手先は、いや、足先までもが闇夜よりなお黒く染まっていた。 これは、主上の御身に宿っていた穢れの現れ。 春霞が祈祷で集めた穢れを、...