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ブラッドワームの花嫁(前記)

イクスがその話を聞いたのは 十歳の冬だった。両親を疫病で失ってから数年、父の幼馴染である夫妻の家で暮していた。夜半に目が覚めた理由を彼女は覚えていない。イクスのとなりのベッドには彼女の姉妹が静かに眠っていた。姉妹と言っても幼馴染であり、引き...
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九尾狐異文③(後記)

玄道が蘇生を施したおさきは幼子としてこの世に受肉した。掌に収まるほどの小さな身体はかすかな寝息を立て、まるで最初からこの世に在ったかのように、穏やかな温もりを帯びていた。あの封印の地で見た魂だけの淡い光とは違う。確かに血が巡り、息をし、泣き...
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九尾狐異文③(補記)

イベント内で使用したセリフを抜粋して、以下に記載いたします。【禅都銀行前】◆玄道「ふむ……」「そなたら、腕の立つ旅の衆とお見受けする。」「実は頼みたいことがあるのだ。」「愚僧は玄道。」「各地の穢れを祓い、」「人々を怪異より救う旅をしておる。...
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九尾狐異文③(前記)

《九尾狐異文抄》今は昔、ある帝の御代に、世に語り伝へられぬ異事ありけり。都の内裏に、一人の女房あり。名を真々藻といふ。人の姿なれど、その在り様いとあやしく、しかれども誰一人として、その正体を疑ふ者なかりけり。御前に侍りては言葉やさしく、心静...
お知らせ

九尾狐異文③

荒れ野を風が走る。草の色は褪せ、寂れた野道には人影もまばら。時は移り、真々藻が封印されてから数百年の時が過ぎた栄華を極めた世は遠く過ぎ去り、今は群雄割拠の戦乱の時代。民は不安を抱え、諸国に怪異と災厄の噂が満ちていた。その野道を一人歩む僧がい...