朝の光が庭先を淡く照らす。エミリーは桶を手に井戸へ向かう。
しかし、その足取りはいつもより鈍かった。
マックスはその様子を気にかけ、エミリーに声をかけた。
◆マックス
「エミリー、大丈夫か? 体調が悪いのなら今日は休んでおいでよ」
眉をひそめ、心配そうに声をかける。
エミリーは微かに微笑もうとするが、唇が震える。
胸の奥に重い圧迫感があり、手にした桶を支えるのもやっとだった。
◇エミリー
「ちょっと……胸が苦しいだけ……でも大丈夫」
弱々しい声がかすかに漏れる。
マックスはすぐに駆け寄り、エミリーを支えた。
◆マックス
「無理するな、ここに座って休むんだ」
呼吸は浅く、胸の痛みは徐々に強くなる。
膝がぐらつき、倒れそうになる。
マックスはエミリーの身体を抱きとめた。
◆マックス
「エミリー、しっかりしろ!!」
エミリーの視界がわずかに揺らぐ。
焦点が合わず、瞬きを繰り返す。
◇エミリー
「……少し、ぼやける……」
マックスの腕を掴もうと手を差し伸べるが、力が入らない。
◆マックス
「ボクの声は聞こえるか? ゆっくり息をするんだ」
エミリーはかすかにうなずく。
◇エミリー
「聞こえてる……でも、あなたの声が少し遠く聞こえるの……」
声は弱く、かすれている。
距離感がうまく掴めないようだった。
マックスは握った手を強く握り返す。
◆マックス
「焦るな、息を整えるだけでいい。ゆっくりでいい」
静かに諭すように繰り返す。手を握り、額を覗き込みながら安心させる。
エミリーは小さく震えながら、意識を手放す寸前でマックスに寄りかかった。

庭先に漂う静けさの中、未知の力の気配が動き始める。
この力が、エミリーの運命を大きく変えるものだとは、二人にはまだ分からなかった。
