イベント内で使用したセリフを抜粋して、以下に記載いたします。
【禅都銀行】
◆玄道
……皆、よく集まってくれた。
此度も、そなたらに力を借りたい。
二日前より峠の向こうから淀んだ気が流れてきておる。
人の恐れと深い悲しみの気が流れてくるのだ。
山の奥で何が起きたのか、まだ断じることはできぬ。
されど苦しんでいる者がいる以上、見過ごすわけにはいかぬ。
◇おさき
玄道、あの山のほう、ずっと胸がざわざわするんだよね。
苦しい人がいる時の感じと、ちょっと似てる。
◆玄道
まずは峠の茶屋へ向かう。
あそこの老婆は、行き交う旅人や山の村の話に詳しい。
旅人も、あの老婆の店で休んでから山へ入る。
様子を知るには、最も確かな手がかりじゃ。
何が起きているかを確かめた上で、手を打とう。
事を急ぐあまり、正体の分からぬものへ飛び込むのは愚策じゃ。
されど、話を聞いて危急と分かれば、迷うつもりもない。
その時は、そなたらの力を借りたい。
どうだろうか、此度も力を貸してもらえるだろうか。
……かたじけない。では、参ろうか。
転移門を開く故、茶屋の前で落ち合おう。
【峠の茶屋】
◇おさき
わあ! やっぱり、おだんごの匂いがする!
●老婆
おやおや、旅僧さんにお嬢ちゃん、挨拶より先に団子とは相変わらずじゃねえ。
◇おさき
おばあちゃん、おだんごまだある?
●老婆
あるとも。焼きたてを出してやるから、慌てて食べるんじゃないよ。
◆玄道
……老婆殿。団子を頂く前に、ひとつ尋ねたい。
この先の山で、何かあったのではないか?
●老婆
耳が早いね、鉱山村で坑道が崩れ男衆が大勢中へ閉じ込められたそうじゃ。
◆玄道
やはり、あの峠で感じた気配はそれであったか。
坑夫は、どれほど残されておる。
●老婆
十七人じゃ、村の者は入口の岩を退けようとしたが、老人と女子供ばかりではの…
◇おさき
閉じ込められた人たち、まだ中にいるんだよね?
●老婆
助かったそいう話はまだきておらんの、家族は帰りを待っておるらしいが…
◇おさき
十七人も……。待ってる人たち、ずっと心配だよね。
◆玄道
崩落の原因も、坑夫らの安否も、今は何も分からぬ。
だからこそ我らが中へ入り、確かめる必要がある。
皆、鉱山村へ参るぞ。
生きて救いを待つ者がいるならば、必ず手を届かせる。
そして、もしも手遅れであったとしても……
何があったかを確かめ、残された者へ返さねばならぬ。
老婆殿、すまんが先に村行って参る。
●老婆
それは構わんが、わたしゃ老婆じゃないよ、看板娘じゃ、まちがえるんじゃないよ。
◆玄道
う、うむ、すまんなお嬢さん。
それではおさき、鉱山村へ向かおうか。
◇おさき
うん! ……おだんごは、帰ってから食べる!
●老婆
無事に戻ったら、腹いっぱい食べさせてやるよ。
◆玄道
では転移門を開く、鉱山村で落ち合おう。
【鉱山入口】
◆玄道
……ここが件の鉱山か。
鉱山全体に、淀んだ気が漂っておる。
坑道の前には、老人と女子供ばかりが集まっておる。
村に残った者たちだけで、崩れた岩を動かすのは難しかろう。
◇おさき
みんな、ずっと坑道のほうを見てる。
お父さんとか、お兄さんとか、帰ってくるのを待ってるんだね。
●老村長
旅のお方か、坑道が崩れて男衆が中に残された、どうか力を貸してはくれんか。
◆玄道
我らは峠の茶屋で崩落の話を聞き、様子を確かめに来た。
坑内には、何人残されておる。
●老村長
坑夫を含め十七人じゃ、村には年寄りと女子供しか残らず、救い出す手立てもない。
◆玄道
十七人……。崩落から、どれほど経っておる。
●老村長
二日じゃ……。村の者で掘ろうとしたが、岩が重すぎて、どうにもならなんだ。
◆玄道
分かった。坑道を見せてもらう。
皆、崩れた岩を無理に動かそうとするでない。二次の崩落があれば、地上の者まで危うい。
◇おさき
みんな、助けに入りたいのに入れないんだね。
◆玄道
焦るな。まず坑道の状態を確かめる。
崩落の奥に生き残りがいるなら、一刻も早く道を見つけねばならぬ。
◇おさき
わたしたちが、中を見てくるから。
待ってる人たちに、ちゃんと帰ってくるって言っておいて。
●老村長
頼む、男衆を……せめて、どうなったのかだけでも知らせてやってくれ。
◇おさき
玄道、早く行こう。
中で待ってる人、まだいるかもしれないもん。
◆玄道
諦めるには早い。
皆、坑道へ入るぞ。生き残りを探すことを第一とする。
皆、参るぞ。
【崩落坑道】
◇おさき
このままだとよく見えないね、
そうだ、この間できるようになったアレを…
(狐火をひっぱる)
これでよしっと。
◆玄道
おさき、これはなんじゃ!?
お前がやっていることなのか!?
◇おさき
うん、おかあさんの思い出にあったんだ。
この間だせるようになったの、便利でしょ?
◆玄道
おさき、お主…
ワシの前でなら良いが、あまり人前でその力を使う出ないぞ
◇おさき
なんで?
◆玄道
それが特別な力だからだ。
人は自分にない力を見た時、2つの行動をとる。
1つは称賛し称えること、
もう一つは拒絶し排斥する事じゃ。
じゃから、極力人の前ではその使わんようにな。
◇おさき
……うん、わかった……
◆玄道
しかし、今は非常に役立つな。
松明の明かりとは違い、火の毒気も出ていない様だしの。
ふむ、……岩盤だけでなく、地脈まで乱されておる。
崩れた岩の向きが不自然じゃ。内から押し割った跡がある。
ただの地滑りなら、ここまで妖気が残ることはない。
◇おさき
岩に大きなひっかき傷があるよ。
山が勝手に崩れたんじゃないのかも。
あそこに、落ちたままのつるはしがある。
みんな、急いで逃げようとしたんだね。
…ねえ玄道、あの岩のむこうから変な音がしない?
◆玄道
これは……地脈に棲む妖か!
坑夫らが鉱脈を掘り当て、驚いた妖が暴れたのだろう。
誰かを害そうとしたのではあるまいが…
妖を退けるぞ!
(モンスターと戦闘)
◇おさき
玄道、奥から誰かの声がした気がする。
◆玄道
儂にも聞こえた。だが、まだ生者の声と決めつけるな。
妖は人の声を真似て、獲物を誘うこともある。
坑道の奥へ追おう。ただし、焦って足場を踏み抜くでないぞ。
声のする方角と、妖気の流れを確かめながら進む。
【坑道最深部】
◆玄道
……ここが最奥か。
坑夫らが最後まで逃げようとした場所じゃな。
◇おさき
そんな……。誰も、動いてない……。
〇坑夫の魂
……帰らねぇと。家で、おっ母が待ってるんだ……。
◇おさき
……でも声が聞こえる……
〇別の坑夫の魂
暗い……。子供はもう寝ちまったかな……。
◆玄道
崩落で命を落とした者たちの魂じゃ。
あまりに急な死で、行き先を見失っておるのだろう。
おさき。魂へ軽々しく触れるでない。
救おうとして、かえって縛ることもある。
◇おさき
でも玄道、この人たちが近寄ってきているみたい……
◆玄道
……これは、どういうことだ。
魂が、そなたの狐火へ寄って来ておる。
◇おさき
わたし何もしてないよ?
◆玄道
そうか……。狐火が、彼らにとって導きの灯になっておるのじゃな。
◇おさき
それってどういう……
◆玄道
むっ!
地の妖どもが、魂の気に気づいて寄ってきておる。
魂へ触れさせぬよう、ここで退けるぞ!
(モンスターと戦闘)
◆玄道
入口は閉ざされ、坑道の奥にはさらに強い気を感じる。
状況を見るに、奥へ進まざるを得んな。
◇おさき
ねえゲンドウ
この人たちをここに置いたまま、先へ行くの?
◆玄道
うむ、どうしたものか
このまま弔う事はできるが…
◇おさき
あれ? あれれ?
(狐火の色が赤く変わる)
この人たち、わたしの狐火にはいっちゃった…
◆玄道
これは何としたことだ、
この者たちの魂がおさきの狐火に宿るとは…
おさき、おぬしはなんともないか!?
◇おさき
うん、わたしは大丈夫だよ。
なんかこのままこの人たちをつれていけそう。
◆玄道
ふむ、おぬしの狐火が魂の灯になるとはな…
おぬしがなんともないのであれば、この者たちはこのまま連れて行こう。
そうすれば最後に家族とも会えよう。
では奥へ進もう、
皆、参るぞ。
【地脈の淵】
◇おさき
大きい…
でもこの子、すごく怖がってる。
自分の住んでた場所を掘られて、どうしたらいいか分からなくなったんだと思う。
◆玄道
地脈の主よ、これ以上暴れるでない!
我らはそなたを害したいのではない。
だが、魂を村へ帰すため、ここは退いてもらう!
(ボス戦)
◆玄道
……終わったようじゃな。
地上へ戻り、魂たちを家族へ帰そう。
◇おさき
うん。みんな、待ってる人に会いたいよね。
今度は、迷わないように一緒に行こう。
【鉱山入口】
◆玄道
なんとか戻ることができた、か……
●老村長
おお、戻られたか。坑道内はどうじゃった? 戻ったのはお主ら二人…だけか?
◆玄道
戻ることができたのは我ら二人だけだ。
坑道内にいた坑夫たちは……すでに命を落としておった。
彼らは、最後に家族へ別れを告げることを望んでおる。
坑夫たちの身内は居られるか。
◇おさき
みんな、帰ってこれたよ。
(狐火が元の色にもどる)
でもごめんなさい、もうあまり時間が残されていないの…
〇坑夫の魂
……すまなかった。帰るって、言ったのによ……。
〇別の坑夫の魂
坊主に……泣くなって、伝えてくれ。父ちゃんは、ずっと見てるって……。
●老村長
ばかもん……! 最後に顔を見せてくれただけで、十分じゃ。
◆玄道
坑夫たちよ、よくぞここまで迷わず戻ってこられた。
そなたらの言葉は、残した家族へ確かに届いておる。
ここから先は、死出の旅路となる。
恐れを置き、心安らかに、彼岸へ参るがよい。
◇おさき
うん。あとは安心してね。
〇坑夫の魂
ありがとうよ……。あいつらに、達者でって言えた。
(坑夫の魂が消えてゆく)
◆玄道
南無阿弥陀仏。
仏の御許へ、どうか安らかに参られよ。
そなたらの思いは、ここに残る者たちが受け取った。
●老村長
あの者らを家へ帰してくれて、ありがとう。
◆玄道
礼には及ばぬ。我らは、為すべきことを為しただけじゃ。
では我らは峠の茶屋に帰るとしよう。
【峠の茶屋】
◇おさき
おばあちゃん! 戻ったよ!
おだんご、まだある!?
●老婆
おお、帰ったかい。団子も饅頭も用意してあるよ。
◇おさき
やったー!!
◆玄道
老婆殿、ただいま戻りましたぞ。
老婆殿。
老婆殿!?
看板娘殿……
●老婆
おや、あんたも無事じゃったか、それは良かった。
◆玄道
……う、うむ。
ワシ等が鉱山を訪れた時には坑夫たちは既に命を落としておった。
しかし、坑夫たちの魂は家族に別れを告げ無事に逝くことができた。
●老婆
生きて帰ることは叶わなかったのじゃな。
◇おさき
うん……。
でも、みんな、最後に家族に会えて嬉しそうだったよ。
●老婆
ほう、それも僧侶の功徳というものなのかの。
◇おさき
ううん、この子のおかげなの。
この青く灯った狐火でのおかげで坑夫さんたちの魂を連れ帰れたんだよ。
●老婆
最後に家族の顔を見られたなら、あの者らも少しは心安らかじゃろうて。
◇おさき
玄道が言ってた。
魂には軽々しく触れちゃいけないって。
でも狐火を通して集まった坑夫さんたちの大切にしてたことが、少しだけ伝わってきたの。
子供のこととか、奥さんのこととか……ちゃんと「さよなら」って言いたかったんだと思う。
●老婆
そんなことまで、分かったのかい。
◇おさき
はっきり聞こえたわけじゃないよ。
でも、わたしの胸が、きゅうってなったの。
◆玄道
魂が強く抱いた思いは、時に傍らにいる者へ触れる。
今夜の狐火は、その思いを受け止めたように儂には見えた。
だが覚えておけ。魂の記憶や思いへ触れることと、それを己のものとすることは違う。
そなたが見たものは、彼らが託した別れの形じゃ。勝手に暴いてよいものではない。
◇おさき
うん、わかった……
◆玄道
それでよい。
魂は便利な道具ではない。生きた者と同じく、それぞれに願いがあり、行く先がある。
●老婆
旅僧さんは、なかなか難しいことを言うねえ。
◆玄道
難しくとも、大切なことじゃ。
死者へ手を差し伸べるなら、なおさらな。
魂に触れる力は、ひとつ扱いを誤れば、死者を己の願いで縛る外法となる。
どれほど善き心からでも、魂の行く先を決めるのは、生きる者ではない。
力は、誰かを留め置くためではない。
迷う者が自ら進むため、道を照らすものじゃ。
◇おさき
うん。忘れないよ。
●老婆
難しいことはよう分からんが、お嬢ちゃんの灯は山の暗さを連れて行った怖くない火じゃ。
◇おさき
えへへ……。じゃあ、今度はおだんご、食べてもいい?
●老婆
もちろんじゃ。冷める前に食べな。
◆玄道
まったく。少しはしんみりしておったかと思えば、すぐそれじゃ。
◇おさき
だって、おなかすいたもん!
◆玄道
此度も、皆の力があったからこそ、山の闇に迷う魂たちを導くことができた。
かたじけない。
また何かあったら助力を願うこともあろう。
その時はまたお願いしたい。
ではな。
(おしまい)
