春。暖かい日差しが降り注ぎ、穏やかな風が頬を撫でる。
それは、春。
「……って、いつになったら、春になるのかなぁ。」
と、一人で独白していたのは、彼女。
そうつぶやいてしまうのも、無理も無いかもしれない。
室内は暖炉の火が燃えて暖かく、寒さを感じずにいられたが、
窓の外には雪。どんよりと曇った空。暖かな日差しなど望むべくも無く。
暦の上では春とされているのに、
いまだ、肌に感じる空気は肌寒く、桜の木は色づくことをせず、
木の新芽も顔を出す気配が微塵もない。
「去年の今頃なら、もうとっくに春がきてもいいはずなのに……。」
彼女は暖かい室内から窓の外を覗いて、ため息をついた。
コトリ。
テーブルの上には、カップが二つ。
カップからは暖かい湯気が立ち昇った。甘いにおい。
テーブルの上に自分と彼女の分のカップを置いたのは、彼。
窓を眺めていた彼女は甘い香りに釣られて、テーブルへと戻ってきた。
急いでカップに口をつけた彼女。
「あっつ。」
「あぁ、もう。ほら。」
目を細めて優しく微笑んだ彼が、彼女の口元に手を伸ばして、
騎士の嗜みの癒しの魔法をかけた。
「それなら、春を探しに行っちゃえばいいんじゃね?」
彼は、こともなげに笑った。
「そっか、探しに行こう!」
楽しい事を見つけた時の笑顔で、彼女は笑った。
ここは、ブリタニア。不可能な事など、なにもないのだ。
============================================================
【開催日時】 3月23日(日) 22時~
【集合場所】トランメル・ニュジェルム EMホール
※当日は、ニュジェルムEMホールからイベント会場へ送迎ゲートを設置予定です。
(ニュジェルムEMホールへは、トランメル ブリテイン第1銀行西側の直通ゲートをご利用ください)
●emiryun様応募の、春をテーマとしたイベントストーリー作品です。
●今回のイベントでは、一部ロールプレイキャラクターを一般プレーヤーが務めます。円滑なイベント進行にご協力をお願いいたします。
●ストーリー内容は当日変更になる場合がございます。
============================================================
《イベントにご参加の皆さまへ 注意事項・お願い》
◆ イベントチャンネル “Asuka EM Event” にお入りください。
◆ 当日は戦闘準備のうえお越しください。
◆ なるべく貴重品は持ち込まないよう、お願いいたします。
◆ 以下に該当の場合、あるいはEMが問題ありと判断した場合はコールのうえ、
イベント中止の措置を取らせていただく場合があります。
– イベント進行の妨害、かく乱行為。
– EM、作者様、あるいはほかのプレーヤーに対する侮辱的発言、またはそれに準ずる行為。
◆ ロールプレイ中は、ロールプレイキャラクターの周囲を空けてくださるようお願いいたします。
◆ 皆さまのイベントです。マナーを守って楽しく参加しましょう!