飛鳥のみなさまこんにちは。
昨年末から受付けていました『“春”をテーマとした イベントストーリー』は、先月末締め切りさせていただきました。
ご応募いただき、ありがとうございました!
この度2つ作品の応募があり、選考を進めておりましたが、両名の作品とも甲乙の付け難い素敵な作品となっております。
そこで、今回2つの作品両方を採用させていただく事になりました。
今後作者様と打ち合わせの上、3月中旬から下旬に両作品をイベントとしてみなさまへお届けしたいと思っております。
3月のイベントもお楽しみに!
採用作品:『それぞれの雪解け』
作者:cake様
他シャードは桜の芽も膨らみ始めたというのに、Asukaだけは厚い氷と雪に閉ざされていた。
遅すぎる春の兆しに人々は違和感を覚えながらも、いつもなら薄皮を剥いでいくような、穏やかな春の訪れを心待ちにし、禅都桜のお花見の準備をしていた。
けれども……一向に暖かくなる気配はない。そればかりか、川面や港の海面にも氷が張り始めた……。
採用作品:『春を探しに』
作者:emiryun様
春。暖かい日差しが降り注ぎ、穏やかな風が頬を撫でる。 それは、春。
「……って、いつになったら、春になるのかなぁ。」 と、一人で独白していたのは、彼女。
室内は暖炉の火が燃えて暖かく、寒さを感じずにいられたが、窓の外には雪。どんよりと曇った空。暖かな日差しなど望むべくも無く。
暦の上では春とされているのに、いまだ、肌に感じる空気は肌寒く、桜の木は色づくことをせず、木の新芽も顔を出す気配が微塵もない。
「去年の今頃なら、もうとっくに春がきてもいいはずなのに……。」
彼女は暖かい室内から窓の外を覗いて、ため息をついた。